物流とITを融合した特徴的なサービス
— ICT機器の導入から廃棄まで一連のサービスをワンストップ・全国規模でサポート —
インタビュー対象者(※業務内容・所属部署は取材当時のものです。)
・ITサポート事業部 課長代理 瀬尾 麻未
・ITサポート事業部 主任 中村 芳寿
・ITサポート事業部 課長代理 瀬尾 麻未
・ITサポート事業部 主任 中村 芳寿
物流事業で長年培った物流ノウハウと、IT関連サービスを掛け合わせた特徴的なサービスを展開する「ITサポート事業部」では、ICT機器のライフサイクルに合わせた機器の調達から廃棄までの一連のサービスをワンストップで提供している。この記事では、今後ますます需要が見込まれるこの分野における取組みを、西日本キッティングセンターの営業担当の声と共に紹介する。
ICT機器の導入から廃棄までを全国規模でサポート
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「ITサポート事業部」の業務内容について教えていただけますか?
瀬尾
PC・スマートフォンといったICT機器の「倉庫保管」「キッティング」「デリバリー」「オンサイトサービス」「リサイクル支援」「保守運用支援」といった一連のサービスをワンストップで提供しています。「キッティング」とは、ICT機器を導入する際に端末の設定やソフトウェアのインストール等を事前に行い、お客様がすぐ利用できるようセットアップする作業のことで、当センターでは、その他にも「保守運用支援」としてのヘルプデスクやオペレーターなど常駐型サービス、そして「リサイクル支援」として、使用期限を迎える端末の回収やデータ消去と処分などにも注力しています。
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中村
主にシステムインテグレーター様(システム構築の会社)からの依頼を受けて、ICT機器の導入時にセットアップ作業を行います。
特に業務の依頼を多くいただくのは、PCの入れ替え時期です。2020年のWindows7のサポート期間終了前にはかなりの案件が殺到しました。次の波は、Windows10のサポートが終了するタイミングを見込んでいます。また最近では、事務所の移転に伴う情報端末の入れ替え需要も増えてきているように思います。
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瀬尾
物流事業と、ICT機器の導入から廃棄までのサポートを一環して、それを全国規模で展開する会社は、全国でも珍しいと思います。物流会社でIT機器部門を持っている所もありますが、カスタマーサービスや廃棄までトータルで扱っている会社は少なく、またトータルサポートを展開する会社の中でも全国をカバーしている所はあまりないので、この点が当社の大きな強みです。当社は、東名阪に拠点を持ち、また北海道から九州に至るまで多数の協力会社と提携し全国規模で展開していますので、地方にいらっしゃるクライアント様のPC1台からでも臨機応変に対応することが出来ます。
「セキュリティ対策」で情報漏洩の可能性を限りなくゼロに
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サービスを提供する上で、最も重視していることは何ですか?
瀬尾
「作業の安全性・情報管理」を最重視しており、特に「セキュリティ対策」に力を入れています。
ICT機器の導入時には、お客様の情報は殆ど含まれていませんが、回収した端末には個人情報や機密情報など重要なデータがかなり入っている状態です。
情報漏洩を防ぐために、例えば西日本キッティングセンターではデータ消去を行う作業部屋へはセキュリティカードを持った作業者のみが出入りできるようにし、部屋の前には金属探知機、室内には監視カメラを設置して、USBメモリーやハードディスクなどの記憶媒体を万が一にも持ち出せないよう管理しています。監視カメラは、複数台を設置して死角が出ないよう全域をカバーし、作業部屋からどんな情報も一切持ち出せない状態を作り上げて、限りなく情報漏洩事故の可能性をゼロにするよう努めています。
3拠点で人員を効率的に共有し業務効率を向上
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業務において、どのような工夫や改善をされていますか?
瀬尾
1996年に前身となる部署が発足してから約25年を経て、現在のキッティング実績は年間60,000台以上にものぼります。多くの案件を円滑に進めるために、東名阪の営業職員による毎週の営業会議で、それぞれの拠点が抱えている案件と稼働の状況を共有し合い、互いの人員を配分しあうなどリソースを共有して業務効率を上げています。また、月1回の安全会議ではヒヤリハット情報を共有し業務改善につなげています。更に、センターでは毎月、それ以外にも全従業員が集まる場を設けており、案件の共有を行うと共に、現場作業員の疑問に答えたり、意見を吸い上げたりする形で、業務の改善と品質の向上に努めています。
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中村
センターの作業現場では、作業員や協力会社から派遣いただいている方々に都度ヒアリングを行い、職場環境の改善を図りながら、設備や体制を整えてスムーズな業務が行われるよう配慮しています。
また、ITは日々進化しており、メーカーや機種によって作業工程が全く異なるため、従業員間での知見の共有にも努めています。
子どもたちに1人1台のPC環境整備を -日本の教育への貢献
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これまでに印象深い案件はありましたか?
瀬尾
文部科学省のGIGAスクール構想の仕事がとても印象に残っています。
全国の児童を対象に、1人1台の端末配布と高速ネットワーク環境の整備を行うことで、個別最適化した学びの提供を目的としたプロジェクトですが、新型コロナウイルスの影響で学校に行けなくなった生徒が急増したことにより、計画が急きょ前倒しになりました。納期・台数・揺れ動く作業内容といった厳しい条件が重なったこの緊急案件のために、十数万台のタブレット端末を東名阪の3拠点に分散し、各拠点の責任者が情報を密にやり取りしながらキッティングを進めるという大規模な対応を行いました。これは3つの拠点が一丸となって協働した初のケースとなりました。
数年経った今でも、当時作業にあたったメンバーの間で語り草になるほどですが、今思えば、困難な状況を一致団結して乗り越えた仲間同士、連帯感がとても強まったと思います。
また、日本の子どもたち1人1人にPC環境を届けたことで、私たちが日本の教育現場を支える一助になれたかもしれないと思うと、大きなやりがいを感じました。子どもたちがITに強くなれば、これからの日本も強くなるかもしれないと未来を想像し、社会とのつながりを強く感じた想い出深い案件です。
全てをトータルで担う初のビッグプロジェクト
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最近の新しい試みや、今後の展望について教えてください
瀬尾
今後ますます需要が見込まれる分野ですので、将来を見据えて自社センターの設備・技術・人員を整え、レベルアップして行く意向です。各地域の事業部においても、従業員がそれぞれの役割に特化した動きができるよう組織体制を整備していきたいと考えています。
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中村
現在、当社にとって初の試みとなるビッグプロジェクトを進めています。あるクライアント様の専用携帯電話のリプレース作業ですが、北海道から沖縄まで2000以上もある全国の拠点に対して、数万台の携帯電話を約2年間かけて入れ替えるものです。システムインテグレーター様を介さずに、導入から廃棄までの全てを当社で一括して担当する初のケースとなります。これを無事に成功させて、エンドユーザー様との直接取引の実績を作り、今後はより上流で仕事を多く受託できるよう、各セクションの協力を得ながら一丸となって取り組んでいきたいと考えています。
ICT機器の導入から廃棄までの一連のサービスを、ワンストップ・全国規模で提供できる特徴的な強みは、東名阪3つに構えた拠点や全国を網羅する協力会社との密な連携、そして日々の業務改善の積み上げによるもの。今後さらなる需要が予想される中、ITサポート事業部ではこれらの強みを活かして事業領域を広げ、日本全国のICT環境の整備を通じて社会に貢献していく。
本案件の担当事業所
ITサポート事業部 西日本キッティングセンター
〒555-0042 大阪府大阪市西淀川区西島1-1-62