都心ビル開拓にグループ横断で挑む、一気通貫のオフィスサポート
インタビュー対象者(※業務内容・所属部署は取材当時のものです。)
・ヒガシオフィスサービス株式会社 高田 泰浩
・ヒガシオフィスサービス株式会社 高田 泰浩
・株式会社FMサポート21 石塚 洋
新築オフィスビルの竣工や再開発事業が続く首都圏。業界内でトップクラスの実績を誇るヒガシ21グループは、2018年、各グループ会社の高い専門性を掛け合わせたグループ横断プロジェクト「都心ビル開拓プロジェクト」を発足した。この記事では、オフィスの移転引越しを担う「ヒガシオフィスサービス」とビル内デリバリー(館内物流)を手掛ける「FMサポート21」がタッグを組んだ、池袋「Hareza Tower」の事例について詳しく紹介する。
各社の専門性とグループの総合力を掛け算
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「都心ビル開拓プロジェクト」の成り立ちについて教えて頂けますか?
高田
本プロジェクトは、高い専門性を持つ人材を集めて一気通貫でオフィスの移転引越しや館内物流を担う、企業間の垣根を超えたグループ横断プロジェクトです。首都圏では断続的に再開発が続いており、事務所延床面積10,000㎡以上の新築オフィスビルの供給量は2020年には187万㎡と過去2番目に多い供給となる見込みです。さらに、2021年~2022年は低水準と言われているものの、2024年までの平均は103万㎡となり、将来10年先まで再開発の計画があることから、マーケットとして非常に大きなものとなります。移転引越しと館内物流を合わせてご提案することで、お客様のコスト削減やスムーズな運営のお役に立ちたいと考え、本プロジェクトを立ち上げました。 -
石塚
ビルの移転引越しと館内物流は連動するもの。別会社が担当するとコミュニケーションが複雑化し、コストアップに繋がるデメリットがあります。移転引越しを「ヒガシオフィスサービス」が担い、「FMサポート21」が稼働後の館内物流を担う。それぞれの専門分野を生かし合いながら、お客様へ総合的な提案が可能なことが「都心ビル開拓プロジェクト」の強みです。 -
高田
ヒガシ21グループは、オフィス移転・館内物流において業界内でトップクラスの実績を誇ります。また長年、大手金融機関様をはじめ様々な大規模移転の実績や、館内物流においても六本木ヒルズ等、国内でもランドマーク的な施設の他、多様な企業様やデベロッパー様を担当してきました。そのノウハウや経験は、他社様のビルにおいても有用であると自負しています。
豊富な「経験」と、確かな提案力で大型案件を受注
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プロジェクトチームで取り組んだ、具体的な案件について教えてください。
高田
チームとして初受注となったのが、池袋エリアの国際競争力を強化する為、官民一体で取組んだ再開発プロジェクトの中のオフィス棟である「Hareza Tower」です。2020年5月に竣工、7〜32階の全オフィスフロアの移転引越しを約半年で行い、その後の館内物流も受注しました。 -
お客様が抱える課題は何だったのでしょうか?
石塚
「Hareza Tower」は池袋駅から徒歩4分の便利な立地にあり、建物周辺は飲食店が立ち並ぶ狭小の道路。さらに劇場の搬出口があるなど、輸配送の導線整理が課題でした。ビルを利用するお客様や近くの公園を利用する都民の安全を配慮した上でトラック搬入の導線を確保し、絶対に事故が起きないようにしてほしいとの強い要望がありました。 -
数多くの競合他社からヒガシ21グループの提案が採択された理由は何でしたか?
高田
具体的なリスクを提示した上で、それらの課題解決案を企画書に盛り込んで提案したからだと考えています。どの案件においても、基本的に提案のタイミングで私たちに入居するテナントの業種が知らせれることはあまり無く、抽象的なプランニングになりがちなんです。しかし我々は、年間8000件を超える移転引越しの実績による膨大なデータベースと「経験」を元に、面積に対する物量や必要な作業員数等を「算出」する事で整合性の高い時間とコストを割り出し、ロケーションを加味した具体的な提案をしました。 -
石塚
池袋はどういう街かということから考え「Hareza Tower」の佇まいに沿った提案をさせていただきました。駐車スペースが少ないと違法駐車が増え、近隣住民から苦情が入る等、予測されうるリスクはいくつもあります。リスクを事前に回避し、近隣住民へ配慮したプランを提案したことも採択のポイントになったのではと考えています。
事故「0」のハイクオリティな運用を全国へ広げる
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「Hareza Tower」の案件について、お客様からどのような点を評価いただいているとお考えですか?
石塚
「Hareza Tower」の竣工から半年ほど経ちましたが、移転引越しと館内物流を合わせて今のところ事故は「0」です。我々は危機管理を徹底していて、わずかな変化も見逃さず品質の糧にしています。「これくらいはいいか」となりそうなことも徹底して無くしたことが良い結果に繋がり、お客様からもお褒めの言葉を頂きました。 -
高田
オフィスの移転引越しは継続して受託できるものではないですが、次に繋げるため「知覚価値」を高めるよう意識しています。物を運んだりアフターフォローをするのは当たり前ですが、単に物を運ぶだけでなく、案件に対しての企画提案や移転に関わる各種業者との調整、手間のかかる手続き等を代行したり。そうした姿勢が、お客様にも伝わっているからこそ、喜んで頂いているのかなと思います。また、ヒガシオフィスサービスでは、お客様に寄り添ったサービスの提供を心がけています。だから高い作業品質を保つことはもちろん、困りごとがあったら「まずはヒガシに相談してみよう」と思っていただけるような関わり方をしていますね。自分たちの作業だけではなく、お客様やビルオーナー様、管理会社様の立場に立って考え、行動するコンシェルジュのような役割を担い、様々なニーズにお応えしています。 -
今後の都心ビル開拓プロジェクトの展開を教えてください。
高田
首都圏以外においても、大阪・名古屋・福岡等でオフィスビルの再開発はあります。ヒガシ21グループはビル一棟を運用・管理するスキームを持っていますから、全国に仕事の幅を広げていきたいですね。また、次世代にも本プロジェクトの取り組みを繋いでいきたいと思っています。 -
石塚
作業品質にはとても自信を持っているので、実績を積み上げていけば一気に仕事は広がると考えています。最初は大変ですが、一つでも新規取引先を増やして、若手に繋いでいけるプロジェクトに育てていきたいです。
物流会社として輸配送や作業の品質は担保した上で、お客様に感動してもらえるサービスは何かを各自が考え、動く一人ひとりの力がヒガシ21グループ全体を支えている。首都圏を中心に、都心の再開発は今後も続く。専門性の高いグループ会社を持つヒガシ21は、グループを横断し一気通貫したサポートで、お客様の期待を上回る驚きと感動を提供し続けていく。
本案件の担当事業所
ヒガシオフィスサービス株式会社
〒105-0004 東京都港区新橋1-18-16