株主の皆様には日頃より当社へのご支援を賜りまして、心よりお礼申しあげます。
さて、先日第102期(2023年4月1日~2024年3月31日)の決算の発表を行いましたので、株主の皆様には当社の状況、そして今後の取組等を詳細にお伝えできればと思います。ご一読いただけますようよろしくお願い申しあげます。

株式会社ヒガシトゥエンティワン
取締役 代表執行役社長  児島 一裕

Q12024年3月期の業績についてどのように評価されていますか。

2024年3月期は、『成長の礎を糧に飛躍する3年』と位置付けた「中期経営計画2026」の初年度として、グループ一丸となり、全事業領域での成長に取り組みました。
その結果、事業成長を着実に進めるとともに、次期以降の更なる業容拡大を企図した大型3PLセンター(神戸西LC※)の開設を進めることができました。※LC:ロジスティクスセンターの略(以下同様)
売上高は406億円(前年同期比16.7%増)、経常利益は23億円(同14.0%増)と、ともに前年度を上回り、過去最高を更新いたしました。

売上高は、期初に開設した大型3PLセンター(北大阪LC、流山LC、鳴尾浜LC)に加え、2022年10月に子会社化した株式会社旅人の連結、首都圏でのオフィス移転事業の拡大などの効果もあり、グループとして初めて売上高400億円を超えました。
また、経常利益は、上記大型3PLセンター開設に伴う備品購入等の投資費用や、成長事業への人材投資に加え、次期以降の更なる業容拡大を企図した大型3PLセンター(神戸西LC)開設に伴う想定外の先行投資を行ったものの、上記の業容拡大、付加価値の高い業務の受注等により、大幅な増益となりました。
2020年3月期のコロナ禍前と比較すると、売上高は251億円から406億円、経常利益も10億円から23億円と、売上高・経常利益ともに大幅に増加しております。

売上高・経常利益の推移

売上高 (百万円) 売上高
経常利益 (百万円) 経常利益

Q2株主還元の方針について教えてください。

2024年3月期の業績が堅調に推移したことから、期末配当は前回予想の34円から更に2円積み増し、2024年3月期の最終的な一株当たり配当金は36円(配当性向31.4%)とさせていただきます。

当社では、株主還元について長期的発展の礎となる財務体質の強化と、安定配当の維持を基本としつつ、成長により獲得した利益を連結配当性向30%以上を目安に還元する方針を掲げています。
当初、2024年3月期の期末配当を32円と発表、その後第2四半期の決算を受け34円に修正発表しましたが、上記の基本方針と業績を鑑み、更に2円の積み増しを行いました。
当社の株価は、2020年3月末は486円でしたが、2024年3月末は1,298円と、この4年間で3倍に近い167%の上昇となっております。この株価上昇の背景の一つに当社の配当政策があると考えており、今後も株主の皆様に評価いただけるよう、業績を堅調に伸ばし、株主還元を進めてまいります。

1株当たり配当金・配当性向の推移

1株当たり配当金(円)配当性向(%)

Q32025年3月期の業績見通しについて展望を教えてください。

大手インフラ会社向け資材販売業務や大手e-コマース向け配送業務・庫内作業の拡大を予定しており、売上高425億円、経常利益26億円を見込んでおります。
また、中期経営計画最終年度となる2026年3月期においても、更なる業容拡大を計画していることから、最終目標数値を上方修正いたしました。

【2025年3月期の業績予想】

大手インフラ会社向け資材販売業務や大手e-コマース向け配送業務の拡大に加え、2023年11月に開設した「首都圏輸送センター」や、2024年3月に兵庫県神戸市に開設した「神戸西LC」の本格稼働、及び2024年8月には「川西LC」の稼働を予定していることから、売上高425億円(前年同期比4.6%増)を見込んでいます。
利益については、前年度に引き続き、幅広い事業での成長に向けた車両・設備・人材への投資が計画されているものの、上記の増収や前期期初に開設した大型3PLセンター(北大阪LC、流山LC、鳴尾浜LC)の収益化、業容拡大による収益源の増加などで、経常利益26億円(同12.6%)を見込んでいます。

【中期経営計画2026の上方修正】

なお、上記2025年3月期の業績予想は、当初の中期経営計画2026の最終目標数値である売上高420億円、経常利益25億円を中計2年目で上回ることとなります。
また、中計最終年度となる2026年3月期に向け、各事業領域で事業成長を推進するための投資を計画している他、2025年2月に愛知県小牧市に「小牧LC(仮称)」が竣工する予定となっていることから、中期経営計画2026の最終年度の目標数値を売上高450億円、経常利益28億円に上方修正いたします。1株当たり予想配当金についても、当初計画を大きく上回る業容拡大を鑑み、当初発表から4円積み増し、過去最高額となる40円を予定しています。

(財務面における数値目標)

Q4サステナビリティに関する取組の中で直近のトピックスを教えてください。

当社グループでは、「安心をずっと、驚きをもっと。人と技術とITで、新たな価値を創造し、豊かな明日へつなぎます。」というグループパーパスのもと、持続可能な社会の実現を目指し、様々な活動に取り組んでいます。
本日は、安全への取組の一つである、最新機器を用いた事故防止取組をご紹介します。

当社グループは、お客様に安全・安心なサービスをお届けするため、「輸送の安全に関する主要目標」(※1)を掲げ、安全を徹底した事業活動に取り組んでいます。
今年度は、新たにデジタルタコグラフ(運行記録用計器)とドライブレコーダー一体型機器の導入を予定しており、運転管理システムの刷新を目指します。今回導入予定の機器を用いて、運行管理のクラウド化を行い、運転日報の作成を簡便化、さらには蓄積された運行記録をもとに、ドライバー毎の運転特性の解析や運転指導に活用し、事故の発生を抑制する『穏やかな運転操作』を意識させることで事故率低減に取り組んでまいります。
また万が一、事故が発生した際にはドライブレコーダーに搭載された複数のカメラ(前方・後方・車内)を活用することで事故原因の分析を行い、今後の再発防止に繋げてまいります。
当社では、これらの機器導入を通じ、事故抑止と防止の両面を目的とした安全管理システムの構築を引き続き目指してまいります。

※1『「グループ全体の車両事故率評価」を事故率2%以内とするAAA(※2)』、『「重大事故」を0件』、『「飲酒運転・過積載違反」を0件』
※2 車両事故率評価AAAとは、年間事故件数を全ての所有車両数(事業用・自家用・フォークリフト)で割り、パーセント表示したものが 2%以内となる最高の評価。(参考)AA⇛5%以内、A⇛8%以内、B⇒15%以内

Evolution for Customers 全進で未来へシンカ